
質問:ポール・マッカートニーが「Silly Love Songs(心のラヴ・ソング)」(原題は「バカげたラヴ・ソング」の意)を書いたのはいつ? 答え:1976年以降ずっと。 この有名なジョークを思い出させるのが本作『Wings At The Speed Of Sound』だ。リリース後にポールの大々的なアメリカ・ツアーが開始され、その話題性も手伝って長らくチャートのトップに留まっていたアルバムである。また、前述の「Silly Love Songs(心のラヴ・ソング)」に加え、「Let 'Em In(幸せのノック)」がシングル化されヒットした。後者は前者を上回る人気を得たが、刺激にとぼしいという点ではどちらも同じようなものだ。
本作の出来は、好意的に見ても「まあまあ」という程度。『Band On The Run』(邦題『バンド・オン・ザ・ラン』)、『Venus and Mars』(邦題『ヴィーナス・アンド・マース』)と傑作が続いた後のアルバムだけに、肩透かしの感は強かった。ポール流の見事なロック・チューン「Beware My Love(愛の証し)」はうれしい驚きを与えてくれるが、アルバムの残りの部分を救うには至っていない。ポールは時々どうしようもなく甘ったるい感傷と砂糖菓子みたいなサウンドに溺れてしまうことがある。
3つのボーナス・トラックは、概してアルバム本編の曲より出来がいいと言える。「Walking in the Park with Eloise」(ポールの父親の作)、「Bridge on the River Suite」という2つのインスト・ナンバーは、当初カントリー・ハムズ名義で発表された。この2曲でポールは、ナッシュヴィルの伝説的ミュージシャンであるチェット・アトキンス、フロイド・クレイマーとチームを組んでいる。「Sally G」は「Junior's Farm」のB面に収録されていたカントリー色の強い曲だ。(Jerry McCulley, Amazon.com)
DISC 1
01. 幸せのノック
02. ザ・ノート・ユー・ネヴァー・ロウト
03. 僕のベイビー
04. 愛の証し
05. ワイノ・ジュンコ
06. 心のラヴ・ソング
07. クック・オブ・ザ・ハウス
08. やすらぎの時
09. マスト・ドゥ・サムシング
10. サン・フェリー・アン
11. やさしい気持
12. ウォーキング・イン・ザ・パーク・ウィズ・エロイズ
13. ブリッジ・オーヴァー・ザ・リヴァー・スイート
14. サリー・G
カスタマーレビュー
ソングライティングも絶好調、スタジオワーク文句のつけようががない
ウイングス全盛期の一枚。ソングライティングも絶好調、スタジオワーク文句のつけようががない。ある意味に頂点に達しているだろう。
マッカートニーがもう少し自覚的であったら、燦然と輝く最高傑作になったかもしれない。
残念なことだ。悪平等主義というか、要するにこのころのマッカートニーはガキだったのだ。傲慢だったともいえるだろう。ほんとうにもったいない。
前作の勢いで売れたのかな?
ポールのデスコグラフィーを見ると上位にランクされているアルバムだが、少々期待はずれの感じがする。確かに「心のラブソング」はポールらしいポップセンスにあふれた佳曲だし、その他の曲も聴きやすい曲なのだが、印象度は薄い。ポールらしいアルバムを通した統一性が感じさせない。それでも「バンド・オン・ザ・ラン」や「ヴィーナス・アンド・マース」を聞いていなければ十分楽しめたのかな?「レッド・ローズ・スピードウェイ」から続いた傑作3作の勢いを受け継いで売れた作品のような気がしてならない。
う〜ん…
1976年にリリースされたウイングス名義のアルバムです。全英2位、全米ではアメリカン・ツアーの影響もありロングセラーを記録し、合計7週間もチャートの首位に君臨しました。間違い無く大ヒットアルバムです。しかし肝心なアルバムの出来はというと…決してポールのキャリアの中で秀でた存在ではないと言わざるを得ません。合計5週間全米No.1となった名曲Tr.6や同じく全米3位まで上昇したTr.1を収録しているにもかかわらず…です。なぜ?…それはオリジナル11曲中ポールは6曲でしかリード・ボーカルを担当していないからです。
ポールはウイングスというバンド・スタイルに固執しすぎてしまったのか、半数近くの曲を他のメンバーに歌わせてしまった…これが本作の存在の「地味さ」を決定付けてしまった原因でしょう。熱心なポールのファンの中には本作の出来に満足している方も当然多くおられるだろうが、それ以上に「ポール以外はでしゃばるな!」という方々も大勢いらっしゃるでしょう。私もその一人です。ただ少なくともデニー・レインは一流のミュージシャンです。しかしポールの作品を求める人にとっては、その一流のミュージシャンでさえ「邪魔」な存在にしかならない事もあるのです。だから星3つ。
しかし、そんな本作でもポールが唄った6曲は「超」一流のクオリティですので無視する訳にもいかない…困ったものです。大ヒット曲Tr.1.6は言うに及ばずTr.3.4.10.11も単曲としての完成度はポールのソロ作品の中でもかなり上位にきます。特にTr.4はポール流ハードロックの完成形と呼べるものです。このあたりに大きな価値を見出せるのなら購入しても損は無いでしょう。
タイトルの日本語訳は「音速の翼」、ポールのベースプレイが光る
このアルバムがリリースされた1976年といえば、まずアルバムに先駆けてリリースされた先行シングルがヒットし、次にアルバムからのカットされたシングルがヒットしてアルバムもヒット、さらにツアーがはじまると過去のアルバムとシングルがまた売れ出すといった感じで、まさに絶頂期の時期だった。
1曲目の「幸せのノック」はポールにしてはやけにシンプルなサウンドで一聴すると印象に残らない曲なのだが、聞けば聞くほど呪文のようにメロディーの良さが頭から離れられなくなるような不思議な曲だ。2曲目はポールにしては「どうしたの」といいたいくらい暗い曲、4曲目はライブ盤にも収録されるハードなナンバー、5曲目はギタリストのジミーの曲だが、珍しく大人しい曲に仕上がっている。ジミーの脱退の理由がもっとハードな曲をやりたいという理由だったのでこの曲は意外な感じがするが、この時点でドラック中毒の片足を突っ込んでいたのかなと思わせるような曲でもある。このアルバムのファーストシングルの「心のラブソング」はピンクフロイドのマネーのテープループにインスパイアされて作ったという遊び心のあるイントロではじまるが、このイントロがなければ曲の印象は大きく変わっていたかもしれない。この曲のイントロは「ひらけポンキッキ」の中で頻繁に使われていたのを覚えている。このラブソングのベースプレイはすごい。しかもライブではこのベースを弾きながら歌っていた。ベースの天才だと思う。「ビーナスアンドマース」を出してわずか1年でこれだけのアルバムを出せるのはすごいと思うし、そこそこの作品を出せばきっと売れるという確信もあったのだろう。「クックオブザハウス」の何かを焼くようなエンディングの音がまるで拍手のように聞こえるのが不思議だ。
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